試合での目標タイムが決まったら、ラップタイム(区間タイム)まで細かく設定しましょう。これにはトップ選手のトータルタイムに占めるラップタイムの比率を利用します。トップ選手は理想的なペース配分を示すだろうと考えられるからです。セイコーリザルトから確認できる2018年の日本選手権の決勝レース8名の結果から、トータルタイムに占めるラップタイムの比率(ラップタイム/トータルタイム:各ラップタイムがトータルタイムの何%か?)を求めてみました。

2018年日本選手権決勝レース8名の各ラップタイムがトータルタイムに占める割合を計算した。レース距離を4分割し、それぞれ1stラップ、2ndラップ、3rdラップ、4thラップとして算出。200mの場合は1stラップは0-50m、2ndラップは50-100m、3rdラップは100-150m、4thラップは150-200mとなる。Frは自由形、Baは背泳ぎ、Brは平泳ぎ、Flyはバタフライ、IMは個人メドレーを意味します。
2018年日本選手権決勝レース8名の各ラップタイムがトータルタイムに占める割合を計算した。レース距離を4分割し、それぞれ1stラップ、2ndラップ、3rdラップ、4thラップとして算出。200mの場合は1stラップは0-50m、2ndラップは50-100m、3rdラップは100-150m、4thラップは150-200mとなる。Frは自由形、Baは背泳ぎ、Brは平泳ぎ、Flyはバタフライ、IMは個人メドレーを意味します。

女子選手が100mバタフライで1分1秒65を目標タイムにした場合で、ラップタイム推定してみましょう。目標タイム(秒数に変換)にラップ比率の0.467(1stラップ:46.7%)と0.533(53.3%)をかけることで、前後半のラップが推定できます。

  • 1stラップ(前半) :61.65秒×0.467=28秒79
  • 2ndラップ(後半):61.65秒×0.533=32秒86

このようにトータルタイムだけでなく、ラップタイムで目標タイムとして設定するとより成長したい姿がはっきりと見えてくるので動機づけとして大変有効です。ラップタイムはトレーニングタイムの設定にも活用できるので、是非この方法で具体的な目標設定を行なってください。

なお、個人メドレーについては得意な泳法が異なることで比率のばらつきも大きいです。自分より上位で泳法が似ている選手をモデルとして、個別に比率を計算して、ラップタイムの推定をすると良いです。今回の上位8位の個人メドレーのラップタイム比率は、トップレベルの選手と比較して自分の得意泳法を判断することに活用できます。